歯科医院に限った話ではないが、スタッフの仕事に対するモチベーションを維持させる事は重要な課題だ。リーダーシップがある院長であっても、一人ひとりのモチベーションを理解せず対策を怠れば、職場の人間関係や患者への満足度に大きな影響を与える事になる。
また、性格や志向が異なるスタッフ全員のモチベーションを合理的一辺倒に管理するという事はそう簡単ではない。
そのため、昔からモチベーションに関する課題を解決しようと数多くの研究がされてきた。本日はモチベーションに関係する有名な学説(1事例)を紹介したいと思う。
欲求階層説 - A.H.Maslow
モチベーションを理解する上で、まずは人間の"欲求"について学ぶべきだろう。
アメリカの心理学者 アブラハム・マズローは "欲求階層説" 人間の欲求を5つの階層で理論化した。欲求は以下で説明する5階層を成していて、下位の階層欲求から上位の階層欲求へと向って行くという考え方だ。
欲求の5階層
自己実現欲求・・・自己の成長を求める欲求
自尊欲求・・・・・他者からの尊敬や承認などを求める欲求
社会的欲求・・・・組織の帰属を求める欲求
安全欲求・・・・・身体的な危険や脅威からの防衛する欲求
生理的欲求・・・・衣食住などの生存するために必要な欲求
歯科医院の欲求階層説について
社会保険制度がある日本においては、大半の診療所が生理的・安全欲求は満たせている。
それでは、組織の帰属を求める欲求である "社会的欲求" はどうか?
"仲間として帰属意識を持たせる・相談できる環境づくり・スタッフ間の信頼関係の構築"
こちらが出来ていない場合は少し注意が必要だろう。
また、社会的欲求を満たされている場合であっても、他者からの尊敬や承認などを求める欲求である”自尊欲求”はどうか?
”達成感ある仕事の役割を与える・スタッフへの評価と報酬・それぞれに役割を与える”など、ここまで出来ている診療所はとても素晴らしい環境にあると思う。
このように、院内スタッフ全員のモチベーションを管理する上で、人間欲求からのアプローチも有効となる。
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